真言律宗・高雄山 岩船寺
市域の東南部、奈良県境付の小田原の東側に位置している古刹。寺の縁起によると、天平元年(729)、聖武天皇の勅願によって開基したと伝え、平安時代の本尊阿弥陀如来坐像、普賢菩薩坐像、鎌倉時代の十三重石塔や五輪塔、室町時代の三重塔(いずれも重要文化財)というように、それぞれの時代に優れたものがつくられました。歴史的にも美術的にも、浄瑠璃寺などと同じく南都興福寺の影響を強く受けた寺院です。
山間部の谷間にあることから広葉樹が多く、初夏の新緑、秋の紅葉は修理の終わった三重塔の朱ともマッチして、こぢんまりとした境内に奥行きを与えています。また、境内一帯に植えられたアジサイが美しく咲くことでも知られています。(木津川市HPより)
|▶ 岩船寺公式HP (gansenji.or.jp)
岩船寺の山門前の「石仏の里」案内板
境内配置
階段をのぼって山門に至る
本堂 2.4mの阿弥陀如来坐像が安置されている
蓮池を前に本堂をみる
山門をくぐると百日紅の花が迎えてくれる
十三重石塔と三重塔
十三重石塔(重要文化財)
山門の屋根瓦
パンフットより掲載
パンフットより掲載
パンフットより掲載
パンフットより掲載
つれづれに・・・
岩船寺は、浄瑠璃寺の近くにあり、共に「石仏の里」のハイキングコースのポイントの一つとなっている。階段を上ったところに山門があり受付をすませる。門の先には百日紅の花が咲き、緑に埋もれるように赤い三重塔が招いてくれる。この風景は浄瑠璃寺にも共通していて心を躍らせる。小さな境内はその多くが傾斜しており、立体的に庭を楽しむことができる。本堂を右にみて、まずは三重塔に向かった。十三重石塔、阿字池(蓮の池)を眺め、三重塔を下から見上げ、坂を上りながら横、上から見下げと360度回遊して見学し多くを撮影した。
長く伸びた庇は、日本独特の斗供という構造でできている。そこにはいわゆる「遊び」を施さないが、この岩船寺では、小さな赤鬼が屈んで支えている。なかなかユニークで宣伝したくなる。
庭園を一巡し下足を脱ぎ、帽子をとって一礼し本堂に入る。
扉一枚、その先の世界にドキリ! 薄暗く少し冷ややかな小さな堂内には、2.4mの阿弥陀如来坐像(重文)を四天王が守っている。その存在感がすごい。時代を感じさせる仏像軍は、金箔がはげ適度な暗さをもち、囲む空間の薄暗さに素晴らしくマッチしている。また、このお堂には大きすぎる存在感(充足感)が良い。
堂内をぐるりと回り、三重塔にあったと普賢菩薩騎象像(重文)など多くを見学した。三重塔の内部の写真を紹介本でみた。ぜひ実物を拝見したいものだ。